転勤族として過ごしていて気になることと言えば「次はいつ転勤になるか」という問題。引っ越しを伴う転勤の場合は、住む土地や家が変わり、生活が一変してしまいますので、内示がある時期は本人はもちろんですが、家族にとってもそわそわと落ち着かない日々が始まります。
この記事では、公的な調査結果などをもとに、知っているようで知らない転勤にまつわる以下のことについて改めて調べてみました。
- 転勤の定義とは
- 転勤族とは
- 転勤の目的
- 転勤は何年単位が一番多いか
- 転勤の多いの時期
- 内示のタイミング
では順番に見ていきたいと思います。
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転勤の定義とは
まず先に転勤についての用語を確認します。「転勤」 は「人事異動」の中のひとつです。人事異動をするうえで、引っ越しを伴う異動が起きることを、日本では「転勤」と呼ぶのが一般的です。
転勤をする理由としては、以下のようなケースがあります。
- 部署異動・・・従事する部署が変更になる場合(支社への異動など)
- 出向・・・今の会社に在籍しながら、他会社の仕事をすること(グループ会社への異動など)
- 転籍・・・今の会社から他の会社に雇用を切り替えて働くこと(グループ会社への転籍など)
転勤族とは
転勤族も明確な定義はない、俗語的表現ですが、「転勤する本人」または「転勤する本人とその家族」が含まれる形で使われます。
転勤の目的とは
転勤の目的は企業により様々ですが、一般的には企業の組織編成に伴う「人材配置」「欠員の補充」などを行った結果、異動が発生します。
2017年に行われた「企業の転勤の実態に関する調査」では転勤を行う目的は以下のようになっています。
転勤の目的(複数回答)は、「社員の人材育成」が 66.4%ともっとも多く、次いで、「社員の処遇・適材適所」(57.1%)、「組織運営上の人事ローテーションの結果」(53.4%)、「組織の活性化・社員への刺激(50.6%)、「事業拡大・新規拠点立ち上げに伴う欠員補充」(42.9%)、「幹部の選抜・育成」(41.2%)、「組織としての一体化・連携の強化」(32.5%)
同じ調査によると、ジョブ・ローテーション(定期的な人事異動)が「ある」とする企業が 53.1%だそうです。
社員本人にとっては「スキルアップ」「昇格へのステップとして」「人材交流」などのメリットもあります。
一方で、2019年に、エン・ジャパンが行った「転勤」についてのアンケートによると、転勤は退職を考えるきっかけになるとの回答が6割超ということ。理由は「新天地への不安」「子育て」「介護」など、当事者の家族としてうなずけることばかりです。働く人の価値観も多様になり、転勤制度そのものの問題点も注目されています。
転勤は何年単位が一番多い?
転勤の周期ですが、 「企業の転勤の実態に関する調査」 によると以下のようになっていました。
- 3 年が 27.9%
- 5 年が18.8%
各会社により様々ですが、確かに実感として、転勤して3年くらいたつとそろそろ…と思う感覚はみなさんあるのではないでしょうか。
転勤が多い時期
民間企業は一般的には決算の時期と連動する
一転勤が多い時期についてですが、転勤や内示については、労働法の範囲外のため、いつどのようなタイミングで内示を出すかは各企業の判断次第です。 「企業の転勤の実態に関する調査」 調査結果でも、転勤に関するルールの規定を「定めていない」とする企業が 76.4%でした。
ただ一般的には、日本の企業では、決算時期に連動して組織変更・人事異動が行われ、結果として転勤の辞令が出されることが多いようです。
国税庁のデータによると大企業の半数が3月決算
国税庁の令和元年度のデータから参照すると
- 3月決算の法人が全体の18%
- 9月決算の法人が全体の11%
- 12月決算の法人が全体の10%
さらに細かくデータを見ると、資本金1億円以上の企業では
- 3月決算の法人が52%
- 12月決算の法人が17%
- 9月決算の法人が6%
となります。「転勤族の人数は〇〇県の人口とほぼ同じ?データで読み解く転勤族[2021年最新]」の記事でも調査した通り、いわゆる大企業のほうが転勤族が多いため、やはり3月に転勤をする人が一番多いと言えます。
また、民間企業以外に、公務員での転勤も多いのですが、公務員の転勤も調べたところ4月1日付けの着任が一般的なケースのようです。
まとめると、転勤が一番多いタイミングは「3月」ついで「9月」「12月」が多いと言えます。
内示のタイミングは
一般的に人事異動があると、正式に社内に人事異動が発表される前に本人に「内示」という形で伝えられます。
着任日からさかのぼって少し前に内示がありますが、内示についても労働法の範囲外のため、いつどのようなタイミングで内示を出すかは各企業によりまちまちです。
「企業の転勤の実態に関する調査」 によると 以下のような調査結果があったため
「2 週間超~1 ヵ月前」が 34.9%でもっとも高く、次いで、「1 ヵ月超~2 ヵ月前」が 32.5%、「1 週間超~2 週間前」が 13.3%などとなっている。一方、海外転勤の場合、「1 ヵ月超~2 ヵ月前」が 30.7%、「3 ヵ月より前」が 30.4%、「2 ヵ月超~3 ヵ月前」が 23.9%などとなっている
上記を鑑みると、以下のようになります。
- 公務員 4月1日着任 ・・・内示3月頃
- 一般企業(3月決算) 4月1日着任 ・・・内示3月頃
- 一般企業(9月決算) 10月1日着任 ・・・内示9月頃
- 一般企業(12月決算)1月1日着任・・・内示12月頃
約800名の方がフォローしてくださっている転勤族ナビのTwitterのタイムラインを参照する肌感覚としても、2週間前の急な告知はざらで、おおむね1か月程度が多いようです。
検索トレンドデータで検証してみました
以下は人気のキーワードを調べるツールで「内示」という検索ワードが2021年に検索された数値の変異です。「検索する=自分やその周りに関連すること」と推測すると、はやり3月に向けて内示が多いということがわかります。
また、このように決まった時期の異動だけではなく、決算に関係なく異動の内示が出る時期は一年中あるという会社も少なくないようです。
また、内示にまつわるよいエピソードとしては「子供の新学期のタイミングに合わせて異動を許可してもらえた」「本人は先に単身赴任をして、後で家族が合流した」などのケースもあるようですが「小学校に入学して1学期始まって早々に転勤になった」「転勤した1年後にまた転勤になった」など、仕方ない部分もあるとはいえ、転勤にまつわる様々なエピソードは尽きません。
まとめ
転勤族や転勤族をパートナーに持つ家族にとって内示は人生を左右する大きなイベントです。
この記事では、 公的な調査結果などをもとに、 転勤の時期や内示の時期など、「時期」にまつわるデータについてをお届けしました。
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読んでいただきありがとうございます。
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