産後ドゥーラとは?利用経験者が語る産前産後サービス

小さなお子さんを子育て中の転勤族にとって、悩ましいことのひとつは「身近な大人の手が足りない!」ではないでしょうか。両親はもちろん、兄弟とも離れて暮らし、気が置けない仲の友人関係を地域で築きにくい転勤族にとって、頼れる大人はパートナーだけ!(もしくはパートナーも頼りにできない場合も)というご家庭も多いと思います。

普段は綱渡りながらなんとかこなす子育ても、産前産後や大人の急な入院、大事な仕事のある日にこどもが熱を出す、など非常事態には対応しきれない場合がありませんか?

今回は、第二子妊娠中に産後ドゥーラサポートを利用してみた経験からメリットデメリット、面談時のポイントをお伝えします。まさに今、妊娠中の方でサポートを検討中の方や、もしものための情報収集として知っておきたい方にご覧いただきたい内容です。(なお利用した時期は2018年頃になりますので、現在と利用システムなどが変わっていることもあるかと思います。ご了承ください)

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産後ドゥーラサポートで切迫早産を乗り切った体験談

産後ドゥーラとは

「産後ドゥーラ」聞きなれない言葉だなと思う方も多いかもしれません。

産後ドゥーラとは、産前産後の不安定な身体と心を持つ母親を、主に妊娠中から産後1年半までを対象に育児や家事、産後の生活プランニングなど、身体的、精神的な面からサポートしてくれる産前産後サポートのプロのことです。

助産師をメインとした講師のいる一般社団法人ドゥーラ協会の認定資格を持った方のみが名乗れ、資格取得後、個人事業主としてサポートをしています。公式サイトを見ると、ドゥーラ登録人数に差はあるものの北海道から九州までのエリアにドゥーラ資格を持った方がいるようです。また自治体によっては利用にあたって助成を受けられるところもあります。

一般社団法人ドゥーラ協会公式サイト

ベビーシッターと何が違うの?

産後ドゥーラとベビーシッターの違いは様々あると思いますが、「産前産後に特化していること」「子どもを見てくれること以外にも母親自身のケアのための働きかけをしてくれること」が大きな違いではないかなと感じました。というのもベビーシッターは主にこどもを見ることがメインになりますが、ドゥーラさんは母親のマッサージをしてくれたり、授乳の専門的な知識があったりと、産前産後の身体の回復ケアにまで対応してもらえるのです。印象としては出産した母親のための「お母さん」といった感じです。

利用した経緯

私が利用したのは、会社勤務をしていた第二子妊娠中のこと。切迫早産により「入院→自宅での絶対安静」が必要になりました。一番気がかりだったのはやはり上の子のお世話をどうするかということでした。

急な入院のため、入院中は夫が勤務時間の調整や、遠方から来てもらった母の手を借り乗り切りましたが、夫も母も諸事情から長くはその体制を続けられず、利用を決めました。まずは自治体のファミサポを検討しましたが、平日に自宅外での事前面談が必要だったため、外出が困難だった切迫早産の私には難しいということで断念したのです。

利用の流れ

一般社団法人ドゥーラ協会は、ドゥーラの派遣やマッチングは行っておらず、公式サイトで検索した後にドゥーラさん(以下ドゥーラ)に直接連絡をとる形となります。サイトに登録されている方は賠償責任保険に加入した、資格取得者のみ。その頃住んでいた地域にドゥーラがいるとわかり連絡をとりました。具体的な流れは下記となります。個別に連絡をとるので安全面からも下記のような事前準備をしてお願いすることをおすすめします。

まずはこちらの要望をまとめておきましょう。
ドゥーラにお願いしたい内容、期間や時間、不安な点、疑問点を家族で話し合い決めておきます。また実際にサポートをうける上の子にも事前に説明しておきました。

次に問い合わせです。
要望を伝えた上で対応が可能か確認。事前に訪問していただいて面談と賠償責任保険等の説明を受けます。(最初に玄関先で公的な身分証明書を提示してもらうとより安心です)

サポートをお願いできるなと思えたら契約をしましょう。
担当者の方との契約によりますが私の場合は1日のサポートが終了した時点で都度その日分の料金を現金でお支払いしました。

私は初めての利用ということもあり、あらゆることをお願いするのがはばかられたため、切迫早産の自分にとって最もリスクが高いと思われた「上の子の保育園送迎」のみを依頼し、家事は夫が担当したり宅配の食事キットを活用したりしました。

メリットデメリット

メリット

個別の細かな要望に対応してもらえる

これはドゥーラさんが個人事業主ということもあり、相談の上で個別の細かい要望に応えてもらえたことが良かったと思っています。また自分の暮らしている地域の近所の方だと距離的な部分から時間の融通もききました。事前面談も交通費をかけず自宅に来てもらえ、ありがたかったです。

他人に費用を払っているからこそお願いできることがある

産前産後のホルモンバランスは繊細で親や親族だと距離が近すぎて時にはぶつかってしまうことも。きちんと費用をお支払いしてお仕事として依頼をするのでこちらも気兼ねなく依頼や相談ができるということもメリットだと思います。

デメリット

費用面

自治体のファミサポと比較しての金額になりますし、特有の知識や技能もお持ちの方たちなので一概に比較できないのですが、やや高めかなという感覚です。ちなみに私の場合は3,000円/時でした。ただ切迫早産で第二子の命にはかえられないということもあり、頼れる人がいない中でこういった専門的な知識を持った方のサポートは本当に助かりました。

感想

私を担当して下さったドゥーラさんは、面談時からこちらの不安や状況をよく汲み取って下さり、損害賠償保険の説明や契約書の説明も非常に丁寧でした。詳しい自己紹介や、母親自身へ心の距離の近すぎない寄り添いやアドバイスもあり、最終的には出産祝いを贈ってくださるような素敵な方でした。(これは完全にこの方の個人的な心遣いであるので例外だとは思いますが…)

そのようなサポートを提供してもらうためにも、こちらから正直な気持ちや、不安、疑問、要望をきちんとまとめておき、面談時に明確な意志疎通をして納得の上でお願いすることが大切です。

自身のケアも子どものお世話も必要になる産褥期に夫以外のサポートを得られない状況の方も転勤族には多いかと思います。産前産後サポートの選択肢として、知っておいて損はないかなと思います。

読んでいただきありがとうございます。
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Y.Uraokaharenohi_factory

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家具メーカーに11年勤めた後、家族の転勤にて退職。
季節の行事やイベント、子どものお祝いなどのハレの日に、空間装飾やテーブルスタイリングを行うharenohi_factory主宰。2児の母。

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