先日同じ転勤族のママと話していた時のこと。
そのお友達はもうすぐ下のお子さんが幼稚園に入る。上の子もいるので約6年間、子供中心の生活をしてきて、やっと下の子も幼稚園というタイミング。
昼間のひとりの時間に何をしようかな~という話。
したいことは、まずはお買い物。デパートとか雑貨屋さんとか、そういう子供とは行けないお店で「それ触っちゃだめよ」とか「ママ今これ見てるからちょっと待ってね」とか言わずにゆっくりのんびり買い物をしたいとのこと。
わかる。すごくわかる。
どんなお店も、近くのスーパーだって、未就園児と行くのと一人で行くのでは全然違う。一人で行く買い物はレベル違いに楽しい。
あとは、美容院に行く、ネイルに行く、ママ友とのんびりランチしたい、家の中のもう使わなくなった赤ちゃんの時の服やおもちゃを片付けたい。次々出てくる。
これも全部すごーくよくわかる。
そして次にちょっとトーン低めに出てきたのは「落ち着いたら本当は働きたいんだけどねー。」という言葉だった。
でも、転勤族でいつ引っ越しがあるかわからないし、正社員とかは無理。それに、専業主婦になって社会から離れちゃったし、子供も幼稚園だと完全に手が離れたわけでもない…行事もあるし、いつ呼び出しがあるかもわからないし、、だからちょっと落ち着いてから近場でパートかなぁ、でも都合よく働けるところなんてあるのかな~と。
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そんな話をうけて、この記事では転勤族の妻がパートで働くなら、ということについて考えたいと思います。
記事監修:国家資格キャリアコンサルタント 安藤
Contents
転勤族の妻はどんな仕事ができるのか
考えれば考えるほど、転勤族が働こうと思ったときのハードルは高いものです。
パートの求人サイトを見れば「これならいけるかな?」という募集がないわけでもないし、短期のお仕事、ママさん歓迎で子供の行事の融通も利くと書いてある求人もたくさん。
でもそんな表面的なことで自分の貴重な時間を使う仕事を決めていいのか?おそらく答えはNOですよね。
ではどうしたらいいのでしょうか。
そんな時は4つの視点から考えてみることをおすすめしたいと思います。
1)まず状況を整理する
パートでもなんでも、何か新しいことをしてみようと思ったとき、最初にするのは自分の状況を整理して客観的に見てみること。
今自分はどういう状況に置かれているか
具体的には、以下のような質問を自分にしてみると、自分の状況が客観的に見えてきます。
- 働きたいという気持ちはどうして出てきたのか?
- 転勤族としてこの土地に何年目であとどのくらいいる可能性がありそうか(いつ転勤になるかなんて、わかるわけないけど推測してみる)
- 家族や親の様子はどうか。お子さんは?もうひとり?親の体調は?
- 子供がいる方は、この先数年間で習い事や受験、部活などどんな変化が起きそうか
- 家計の状況について いくら必要?いくらあったら嬉しい?何に使う?
2)自分について考える
状況が整理できたら、2つめは自分の気持ちを自分で聞いてみます。
とりあえず、ではなく自分がどうしたいか
自分の得意なことや好きなこと、自分はどんな人?にすぐに答えられる人は実はとても少ないものです。
実際、私も、これまでカウンセリングや面談で400回以上いろいろな女性とお話をしてきましたが、自分のことを考えたり答えたりするのって苦手なんですよね、という方が圧倒的に多いものでした。
特に主婦として生きていると、家族のことや子供のことが頭を占拠して自分のことは後回しになってしまいます。
自分の幸せ=家族の幸せはとっても素敵だけど、もし自分が働く仕事を選ぶなら、そこは自分の世界。ならば自分の気持ちが大事なはずなのです。
「自分がどうしたい」の見つけ方は詳しくは以下の記事でも解説しているのでこちらで。
自分はどんな資格や経験・スキルを持っているか
自分を知る時は、できることや得意なこと、スキルや資格を取得していたらそれも思いだして書いてみます。
ここで注意なのは、大事なのは「資格名」ではなく「なんで自分はその資格を取ろうと思ったのか?どう生かしてきたか?これからどう生かせそうか?」というところ。
もちろん資格だけではなく、過去の仕事内容でしてきた経験、どんなスキルがあるのかも思い出して整理みます。誰かにほめられたり感謝されたことはどんなことでしたか?
また逆にこれまでは仕事として選ばなかったけど、ずっとやってみたかったことがあれば、その方向を考えてみることもありです。
自分はどんなライフスタイルで過ごしたいか
仕事内容だけではなく働き方も大事。
毎日働きたいのか、週2~3回くらいがいいのか?自分の365日24時間をどう使いたいかをイメージしてみます。
年齢が上がるにしたがって、残念ながら体力も落ちてくるから無理のない範囲で考えるのも大事です。
3)サポートはどのくらい受けられるか
3つ目は周りからどのくらいサポートを受けられるかについて考えてみます。
万が一の時に頼れる人はいるか
転勤族として暮らしていると、親とか、兄弟とか古い友人とか、そういう頼れる人が残念ながら近くにいません。
なので特に子どもがいる場合はサポート体制について考えるのはとっても大事。具体的には以下のようなことを考えてみます。
- いざというときは配偶者が有休等をとってサポートしてくれるのか
- 近所に頼れる人がいるか
- 自治体のサポートで受けられるものがあるか
- 食材宅配など簡単に使えるサービスはありそうか
4)どう実現するか作戦を考える
ここまで考えると、だいぶ自分の働き方について、したいこと・したくないこと・できることできないことが整理できてきます。
自分の方向性が見えてきたら次はそれをどう実現するか?を考えていきます。
職種や働き方の固定概念を外す
何も考えずに求人サイトをひらくと、なにげなーく最寄り駅から検索して仕事探しをしてしまいますが、先に作戦をたてておけば、いろいろな方向性から考えることが可能になります。
例えば、自分にとって得意で喜びを感じることが「先回りして行動するのが得意でだれかの役に立てた時にうれしい」だとします。
それを生かせる職種なら、例えば事務、接客など仕事を探す方向性が広くなります。
でももしそういう人が、ライン作業など、厳重なマニュアルにそって納品するだけの作業を求められれる仕事についてしまったら、仕事時間もつまらないものになってしまうかもしれません。
また、職種だけではなく、働き方も、最初はパートと思っていても、そこに縛られる必要はなく、派遣や在宅ワークも選択肢になります。
転勤族ならではの作戦として、引っ越しをしても継続的に仕事をしやすい環境を手に入れるため
- 大手で全国展開しているお店の仕事を探す
- 未経験OKで働きながらスキルを手に入れられる仕事を探す
なども作戦の一つと言えます。
お疲れ様でした
ここまで長文読んでいただきありがとうございます!お疲れ様でした。
このように考えていくと、自分のしたい仕事・自分に合った仕事を見つけやすくなります。
この4つの考えは、私のオリジナルでもなんでもなく、キャリア発達の研究者ナンシィ・K・シュロスバーグの4Sモデルというキャリア理論を応用したものです。
キャリア理論というと難しいですが、何か新しいことを始めたり変化が起きた時は、4つの方向から考えてみるというとても実用的な考え方です。
・状況 (Situation) シチュエーション
・自分 (Self) セルフ
・サポート (Support) サポート
・戦略 (Strateegies) ストラテジー
冒頭の話に戻ると、そのお友達は、育児を生活の中心においてずっと頑張ってきたステージを終えまた新しい生活へと入っていく準備期間。
次のステージがそのお友達にとってよいものであるように心から祈って、この記事はおしまいにします。
ここまで読んでくださりありがとうございます。